思春期お絵描きブログ

趣味で小説やイラストを投稿させていただきます。<(_ _)>

くちなしの花!4「やばい乗客!」

車を走らせて気分も穏やかにおさまりはじめていた時、突然一本の電話の着信が!泰蔵はスピードをおとしながら周りを確認する!


泰蔵「はい!( ̄o ̄)」


そして、すずしげな顔で携帯スマホに出ると、少したじたじした様子の男性事務員の声が・・・。


事務員「ああ、熊沢さん!鷲見タクシー事務所のものです!勤務中申し訳ないです!」


泰蔵、あきらかに、すました対応で・・。!


泰蔵「いや、そんで、何か?( `ー´)ノ」


その反応に事務担当はさらに、言いにくそうな声で・・・。


事務員「実は先ほど、ちょっと前にでしてね!こちらの事務所宛のホームページへ熊沢さんの、その・どこかのお店でしょうか!大声をあらげていらっしゃる、動画がメールで送られてきたんですよ!」


大蔵「は、はぁあ!(# ゚Д゚)」


泰蔵はいつものくせでつい大声をあげてしまう!


事務員「そ、それとですね、わが社のタクシーに不機嫌に乗りこまれる姿も、バックのナンバープレートつきの画像と一緒に送られてきましてね!これに心当たりあられるかと思いまして連絡させていただいたのですが・・・!」


さらに声が怒りっぽくなってしまう泰蔵!


泰蔵「あれは、向こうの接客態度に問題があって、俺も少し声をあげただけで!(# ゚Д゚)」


事務員も、それいじょうは聞きたくなかったのか、たじたじしながらも、会話をさえぎって!


事務員「も・申し訳ありません、他にも先ほどからいろいろメッセージがきていまして、流石に画像つきのクレームがいくつも届いてしまわれると、原因はどうであれ、当社の信用もかかってしまうので、上の方からも解雇するようにと直接命令されてしまったんです。これまでも度々ですけど熊沢さんに対するクレームも上がっていましたし・・・!」


何となく、心当たりがあるのか泰蔵も思わず口をつぐんだ。


大蔵「ううっ、・・・(-_-メ)」


ばつが悪そうな、早口で、対応を続ける事務員!


事務員「幸い会社の方からは、解雇以外特に損害とかの対象からは外されたようで!今日、夜勤まで、シフトを入られてたと思うんですが、これからすぐ、戻ってこられてもしっかりとその分まではお支払いする形となりましたので、後ほどお待ちしていますね!」


そういうと事務員は泰蔵の返事を待たずそのまま逃げるように電話をきってしまった。
事務所からのいきなりの対応にしばらく、ぼうぜんとしてタクシーを走らせていた泰蔵だったが、やがて数分後われにかえると、鬼のような形相へ変わりわめきはじめた!


泰蔵「ああん、くっそお、あいつら余計なまねしやがって、何様のつもりだ!こそこそゴキブリみてえにネットで陰口書きまくりやがって!気色わりい!あれは、完全にてめえらのおち度だろ、ちょっと、俺が声上げたくれえでおおげさに犯罪者扱いで吊し上げして、てめえらは英雄気取りってやつか!ふざけんな!(# ゚Д゚)」


泰蔵は運転中にもかかわらずお節介にも事務員が送ってきた店での自分の暴言騒動を再生し目を通すとますます怒りが蘇ってくる!1人おかまいなく、がなりちらして、同時に体温も急激にたかまり車内の冷房も強風にして、アクセルも乱暴にふかす!


画面タイトルやコメントには、「昼間の店内で叫び狂ってた勘違い殿様気どりのいかれクレイジジィ~」「ただただ、迷惑でしかない」「うわあ~、こいつの運転マジ暴走しそう、乗りたくねえし」「空気読めねえハゲおやじ。修行僧でもして出直してこいよ!!(笑)」「生まれる場所、ゴリラ星と間違えてねえ( ̄▽ ̄)」「完全、人間終わってるわ~\(^o^)/」・・・!


泰蔵「けっ!こそ泥どもがなめくさりよって!人に断りもせず誰が盗撮していいって言った?!さんざんこけにして被害者ぶってるてめえらの方が犯罪者だろうが!まじで訴えるぞ!(# ゚Д゚)」


その勢いで横の助手席に携帯スマホをぼんと投げつけた!
車内をずっと甘い香りを放っているくちなしの花は今の泰蔵には少しも癒し効果にはならず!
やり場のないうらみを吐き出しながら、それでも、しぶしぶもと来た道を引き返す泰蔵!再び凄まじく燃え上がった憎しみの感情はおさまらなくて!


泰蔵「会社も会社だ!何が幸いだ!損害請求される事なんかこっちはなんもしとらんわあほが!ここぞとばかり、鬼の首取ったみたいに!普段から人の顔色ばかりうかがいやがって、前々からクレームがあったならその都度直接言えばいいだろうが!まあ、客に顔でビビられることはあっても、それ以外何もしてねえがな!人のあら捜しするのがそんなに楽しいか!ああ!きさまらも結局みんな一緒なんだよ!いいか悪いかなんて勝手に外面と空気で判断しやがって!(# ゚Д゚)」


そして幸いにも、事故を起こす事なく昼前ごろ待機していた葬儀会館のある裏道にタクシーで差し掛かった時、助手席に投げ捨てたスマホの画面に午後4時を知らせる青いランプが光った。空は相変わらずどんよりと黒ずんで優柔不断な天気でなかなかほんぶりの雨足にかわらなかったが、今少しずつようやく強くなり始めていた。
ここまでだいぶ暴走したせいで、多少はストレスの減少にはつながったのか泰蔵の呼吸もけっこうおちつき、ため息まじりで「さみいな(-_-メ)」と、マイペースに、下げすぎた車内の温度を調整しょうと冷房に手を伸ばした。


が、その時ふいに、走っていた、細い道の横から1人の人間がふらりと現れて来てとっさに、急ブレーキをかけた!


泰蔵「ああん!なんだあいつは、あぶねーぞ!ちんたらしやがって!ひかれてえのか!(# ゚Д゚)」


と、車内で声を張り上げて泰蔵は、眉間にしわをよせ思わずクラクションをならそうと構えたが、そのたちどまった少年らしき人物が瞬間こちらに向かって右手をあげたのが窓をたたく雨粒にまじって視界に入ってきたので、思わず手をひっこめた!

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